東京都健康安全研究センター
ブルセラ症 Brucellosis

更新日:2017年3月3日

 

1 ブルセラ症とは

 ブルセラ症は、ブルセラ属菌の細菌による感染症です。主な流行地域は、地中海地域、西アジア、アフリカ、およびラテンアメリカですが、世界中で発生がみられます、我が国でも年間数件の患者の報告があります。

 

2 原因と感染経路

 病原体は、ブルセラ属菌のBrucella abortusB.suisB.melitensis、及びB.canisです。

 感染動物の尿、糞、乳汁、胎盤や羊水などに病原体が含まれているため、未殺菌の乳製品や加熱が不十分な肉の摂取、汚染されたほこりを吸いこむことにより感染します。病原体を保有した動物との接触時に傷口から感染することもあります。

 主な感染動物は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ラクダ及びイヌです。

 

3 症状

 潜伏期は1~3週間ですが、数か月という報告もあります。

 主な症状は、倦怠感、発熱、発汗、腰や背中の痛み、関節痛、悪寒などです。自然治癒する場合もありますが、治療しない場合は2~3週間から数カ月間、発熱が間欠的に続きます。

 なお、重症の場合は、心内膜炎を起こして死亡することがあります。

 

4 治療

 抗菌薬による治療を行います。

 

5 予防のポイント

 予防接種はありません。

 流行のある地域では、殺菌していない乳製品や調理不十分の肉類の摂取を避け、動物のとさつを行っている場所や出産時の動物への接近を控えるようにしましょう。

 

6 診断・感染症法との関連

 診断は、病原体の検出、あるいは抗体検査などによります。 

 感染症法では、四類感染症に定められており、診断した医師は直ちに最寄の保健所へ届け出ることが義務づけられています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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