東京都健康安全研究センター
インフルエンザ (seasonal (regular) influenza)
更新日:2025年10月1日

1 インフルエンザとは

 インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる呼吸器感染症です。通常の急性上気道炎(かぜ)に比べ全身症状が強く出やすいことを特徴とします。

2 原因と感染経路

 原因となる病原体は、インフルエンザウイルス(Influenza virus)です。インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型があります。近年、国内で流行しているのは、AH1pdm09(2009年に流行したインフルエンザ)、AH3亜型(いわゆる香港型)、B型の3種類です。C型はヒトでの、流行は起こりにくいとされています。

 患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛まつ感染」が主たる感染経路ですが、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」もあります。

3 症状

 1~3日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、咳、咽頭痛、鼻水、筋肉痛、関節痛などを呈します。喘息など慢性の呼吸器疾患のある方、心疾患のある方、糖尿病の方、免疫機能が低下している方などは重症化しやすいとされ、二次的な細菌感染による肺炎などを呈することがあります。

4 治療

 治療は、抗インフルエンザ薬の服用や対症療法となります。オセルタミビル(商品名:タミフル)、ザナミビル(商品名:リレンザ)、ペラミビル(商品名:ラピアクタ)、ラニナミビル(商品名:イナビル)、バロキサビルマルボキシル(商品名:ゾフルーザ)などの抗インフルエンザ薬が使用されます。治療については、病状や経過(特に症状がではじめてからの時間)に合わせて医師が判断しています。

 小児・未成年者では、インフルエンザの罹患により異常行動を起こす恐れがあります。自宅では少なくとも2日間、お子さんの状態に注意し、小児・未成年者が一人にならないよう注意しましょう。

小児・未成年者の異常行動について

5 予防のポイント

 予防接種は、重症化の予防を目的として行います。

 予防には、手洗い、咳エチケットが有効です。

6 診断・感染症法との関連

 診断は、迅速診断キットを用いた抗原検査(A型かB型のインフルエンザを診断)、抗体検査、病原体の検出などによります。

 感染症法では、五類感染症(定点把握対象)として定められ、定点医療機関から毎週患者数が報告されています。

学校保健安全法施行規則第十九条に基づく出席停止の期間の基準

『第二種の感染症(結核及び髄膜炎菌性髄膜炎を除く。)にかかった者については、次の期間。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りでない。』『インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)にあつては、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあつては、3日)を経過するまで。』

7 さらに詳しい情報が必要な方は

東京都感染症情報センター
(東京都健康安全研究センター健康危機管理情報課)
〒169-0073
東京都新宿区百人町3丁目24番1号
電話:03-3363-3231(代)
FAX:03-3368-4060
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