更新日:2026年2月24日
1 ジアルジア症とは
ジアルジア症は、寄生虫(原虫)の一種であるジアルジアによる感染症です。
衛生環境の整備されていない途上国を中心に世界に広く分布しています。塩素消毒が十分に効かないため、先進国においても水道水を介しての集団感染が生じ問題となることがあります。衛生状態の悪い地域・途上国などへの渡航は感染リスクとなります。本邦でも年間数十件程度(2025年:全国35件、東京都15件)の報告があります。
2 原因と感染経路
病原体は、寄生虫(原虫)のジアルジア(Giardia duodenalis (syn. G. lamblia, G. intestinalis) 別名:ランブル鞭毛虫)です。シスト(嚢子)という形態で水などの環境中に存在し、ヒトは水の曝露や汚染された食事、糞便の経口感染汚染などにより感染します。消化管に寄生したのち、再度シストの形態をとって糞便中に排出されることにより環境中に放出され、そのシスト(嚢子)を再度経口摂取することにより感染が循環します。
感染経路には下記のようなものがあります。
- 汚染した環境(水場や放牧場・畜舎など)に曝露したことによる感染
- 汚染した飲食物(水や氷、食品)を経口摂取したことによる感染
- 性的接触や、汚染した手を介した糞便の経口感染
3 症状
潜伏期間は報告によりばらつきがありますが、1日から4週間程度です。無症状のものから、水様性や脂肪性の下痢(血便は一般的ではありません)、腹痛、悪心、おう吐を呈するものまで様々です。症状が強い場合や長引く場合には体重減少や衰弱などにつながります。1-2週間程度持続することが多いですが、一部は慢性感染に移行することがあります。免疫不全状態にある人は、重症化することがあります。
4 治療
抗原虫薬による治療を行います。
5 予防のポイント
水や食品の汚染が懸念される地域に渡航される際は、未殺菌や非加熱の飲料水や氷、食品の摂取に注意し、水場に入る時なども水を飲まないようにしましょう。
予防接種はありません。
トイレの後や、調理・食事の前には、石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
動物に接した後も、手洗いを心がけましょう。
6 診断・感染症法との関連
診断は、便や腸液、胆汁からの病原体の顕微鏡での検出、病原体抗原の検出、PCR法による病原体遺伝子の検出などです。
感染症法では、五類感染症(全数把握対象)に定められており、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出ることが義務づけられています。
7 さらに詳しい情報が必要な方は
- ジアルジア症(国立健康危機管理研究機構)
- ジアルジア症(Giardiasis)(厚生労働省検疫所 FORTH)
- クリプトスポリジウムとジアルジアによる水環境及び水道水の汚染(東京都健康安全研究センター研究年報)
- Giardiasis(アメリカ疾病予防管理センター(CDC))
- ジアルジア症(日本感染症学会)
