東京都健康安全研究センター
2010年に分離されたA群レンサ球菌の9薬剤に対する最小発育阻止濃度分布

2010年に分離されたA群溶血性レンサ球菌の9薬剤に対する最小発育阻止濃度(MIC)分布について

 A群溶血性レンサ球菌感染症の治療にはペニシリン系薬剤が第1選択薬であり、アレルギーがある場合にはマクロライド系のエリスロマイシン(EM)やクラリスロマイシン (CAM)が使用されます。また、治療効果が思わしくない例では、クリンダマイシン(CLDM)、アモキシシリン/クラブラン酸、あるいは第2世代以降のセフェム剤が使用されています。

 2010年分離株について薬剤感受性調査を実施した結果、βラクタム系薬剤(ペニシリン、セフェム系)は良好な感受性を示していますが、マクロライド系のEMやCAMについては44%強が耐性でした(EMおよびCAM耐性は2005年以降増加しています)。

 劇症型溶血性レンサ球菌感染症の治療で使用されるリンコマイシン系薬剤のCLDMについては17%が耐性菌であり、今後も注意が必要です。


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