更新日:2024年6月20日
1 手足口病とは
手足口病(Hand, Foot and Mouth Disease:HFMD)は、その名が示すとおり、口の中・手・足を中心に出る水疱性の発しんを主症状とする感染症です。
2 原因と感染経路
コクサッキーA群ウイルス(Coxsackievirus Group A)とエンテロウイルス71型(Enterovirus71)が主な原因となります。
患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染します(飛まつ感染)。また、水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染します(経口・接触感染)。
3 症状
3〜5日の潜伏期間の後、口の粘膜・手のひら・足の甲または裏などに2〜3mmの水疱性の発しんが現れます。発熱は約3分の1にみられますが、高熱になることはあまりありません。一般的に軽症で、発しんは3〜7日で痂皮(かさぶた)を残さずに消失します。重症化はまれですが、合併症として急性脳炎や心筋炎があげられます。
4 治療
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。
口の中に水泡ができ食事がとり難いため、柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。
頭痛やおう吐、発熱が続く場合は主治医に相談しましょう。
5 予防のポイント
予防接種はありません。
予防には、手洗い、咳エチケットが有効です。咳エチケットについては こちら へ
発しんが消えた後も、3〜4週間は便にウイルスが排泄されるため、手洗いを徹底し、幼稚園、保育園、学校など集団生活ではタオルの共用を避けましょう。
6 診断・感染症法との関係
通常は症状から診断されますが、検査診断は、病源体の検出によります。
感染症法では、五類感染症(定点把握対象)として定められ、定点医療機関から毎週患者数が報告されています。