東京都健康安全研究センター
帯状疱疹 Shingles(Herpes Zoster)

更新日:2022年6月22日

1 帯状疱疹とは

水痘(みずぼうそう)と同じウイルスが原因で起こる皮膚疾患です。水痘が治癒した後もウイルスが神経に潜伏し、免疫低下や加齢に伴い、ウイルスが再び活性化することによって発症します。

2 原因、感染経路

神経に潜伏感染していた水痘-帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:VZV)が原因で起こります。

3 症状

皮膚症状の特徴として、皮膚に分布している神経に沿って、水疱が帯状に出現します。

通常、皮膚症状の出現2~3日前から痒みもしくは痛みが出現し、初期は皮膚が赤く腫れます。1週間程度経過すると、水疱が多発するようになり、発熱、頭痛、リンパ節腫脹などの症状も出現するようになります。

通常2~4週間で水疱が破れて痂皮化し、皮膚症状が正常に戻ります。

4 周囲への感染

水痘と帯状疱疹は同じウイルスが原因です。そのため、帯状疱疹患者の水疱には水痘-帯状疱疹ウイルスが含まれており、水痘ワクチン未接種者などの免疫を持たない人が接触すると、感染して水痘を発症することがあります。全ての水疱が痂皮化すれば、周囲への感染力は無くなります。

5 合併症

最も一般的な合併症は帯状疱疹後神経痛と呼ばれる長期の神経痛です。

この神経痛は3か月以上続く疼痛で、帯状疱疹患者の10~50%に出現し、高齢になるほど多くみられます。

6 治療

抗ウイルス薬の投与(アシクロビル、バラシクロビルなど)を行います。より早期に使用すると効果が高く、重症例では入院して点滴治療を行います。水疱が破れた際は、化膿防止のため塗り薬を併用します。

7 予防ポイント

周囲への感染を防ぐためには、発しんを覆い、さわったりひっかくのをさけ、しっかり手洗いを行います。免疫力が低下しないように、普段から体調管理に努めることも大切です。

8 ワクチン

2016年3月より生ワクチンである水痘ワクチンの効果・効能に50歳以上の者に対する帯状疱疹予防が追加されました。さらに、2018年3月からは乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンが使用可能になりました。

9 診断・感染症法との関連

PCR検査、ウイルス抗原検査、抗体検査などを行います。

感染症法では、帯状疱疹は届出疾患には定められていません。

※水痘(みずぼうそう)については、入院例は五類感染症(全数把握対象)、入院例以外は五類感染症(小児科定点把握対象)に定められており、保健所への報告と届出が義務付けられています。

10 さらにくわしい情報が必要な方は

本ホームページに関わる著作権は東京都健康安全研究センターに帰属します ご利用にあたって
© 2023 Tokyo Metropolitan Institute of Public Health. All rights reserved.