東京都健康安全研究センター
多剤耐性緑膿菌感染症 Multi-drug-resistant Pseudomonas aeruginosa infection

更新日:2026年3月31日

1 多剤耐性緑膿菌感染症とは

 多剤耐性緑膿菌感染症とは、通常の緑膿菌感染症の治療に使用する抗菌薬である広域β-ラクタム剤、アミノ配糖体、フルオロキノロンの3系統の薬剤に対して耐性を示す緑膿菌による感染症です。

2 原因と感染経路

 病原体は、薬剤耐性を示す緑膿菌(Multi-drug-resistant Pseudomonas aeruginosa)です。

 緑膿菌自体は土壌や水中など環境中に広く存在しています。感染経路は、菌で汚染された土壌や水への曝露の他、菌で汚染された医療機器等の環境表面との接触、ヒトの接触(菌で汚染された手との接触等)などがあります。

3 症状

 緑膿菌は、通常、健常者には病原性を示しません。しかし、感染防御能力の低下した患者(手術後の患者や、免疫機能の低下した患者)においては、菌血症や肺炎、尿路感染症、手術部位の感染などが引き起こされることがあります。

4 治療

 効果のある抗菌薬を確認し、治療を行いますが、使用できる抗菌薬の選択肢は限られます。

5 予防のポイント

 多剤耐性緑膿菌は、院内で感染が拡大する場合があります。医療機関においては、多剤耐性緑膿菌が検出された患者さんに対して、接触予防策や個室管理を検討することが望ましいです。また、平時から標準予防策や、高頻度接触面の適切な消毒薬による清掃などの環境管理を徹底することが重要です。

 また、院内感染対策以外での予防のポイントとしては、免疫機能異常、慢性肺疾患など基礎疾患を持っている方は、基礎疾患の治療を適切に行うこと、健康な人が見舞等のために医療機関を訪れる場合は必ず手洗いを行うこと等が挙げられます。

6 診断・感染症法との関連

 診断は、病原体を検出し、その薬剤感受性を確認して行います。

 2026年4月6日より、感染症法上の取り扱いが、5類感染症全数把握対象疾患に変更となりました。

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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