- Q1
- 麻しんに対する免疫がなくて麻しん患者と接触したときは?
- A
-
麻しんの感染力はきわめて強く、免疫のない人が麻しんにかかっている人と接すればほぼ確実に感染します。発症を防ぐには、接触から72時間以内のワクチン接種、あるいは4日以上6日以内のガンマグロブリンの筋肉注射という方法がありますが、ガンマグロブリンは血液製剤なので、使用に当たっては医師と十分相談する必要があります。
ただし、いずれの方法をとったとしても確実に発症を防げるわけではありません。疑わしい症状が出たら学校・職場を休み、医療機関を受診しましょう。
- Q2
- 周りに麻しん患者が出たとき、1歳未満の子にワクチン接種ができますか?
- A
-
周りで麻しんの流行があったときや、通っている保育施設や家族に麻しん患者が出たときなどに、緊急避難的なワクチン接種で感染を予防できる可能性があります。1歳未満のワクチン接種は任意接種となります。
なお、1歳未満で接種した際には、残存する移行抗体(胎盤を通じて胎児に与えられた抗体)の影響でワクチンによる免疫の獲得効果が十分に発揮されないおそれがあるので、通常の定期接種のスケジュールでも接種を受ける必要があります。
- Q3
- 妊娠中(またはその予定)ですが、周りで麻しんが流行しています。注意点は?
- A
-
妊娠中に麻しんに罹ると流産や早産を起こす可能性があります。妊娠前であれば未接種・未罹患の場合、ワクチン接種を受けることを検討すべきですが、既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることが出来ませんので、流行した場合は外出を避け感染者に近づかないようにするなどの注意が必要です。
- Q4
- 麻しんかもしれないのですが、受診する際の注意点はありますか?
- A
-
受診する前に医療機関に電話をして麻しんの可能性があることを伝えましょう。もし本当に麻しんだったら、他の外来患者との接触で、その人たちを感染させてしまう恐れがあります。医療機関から必要な指示があるはずですので、それにしたがって受診してください。具体的には、他の外来患者さんと接しないように誘導する等の対応がとられます。
- Q5
- 麻しんにかかったら、いつまで学校・職場を休む必要がありますか?
- A
-
学校保健安全法では麻しんは第二種学校感染症として位置づけられており、解熱後3日を経過するまでは出席停止になります。周囲に感染させる期間は、症状が出現する1日前(発しん出現の3~5日前)から発しん消失後4日くらいまで(または解熱後3日)と言われていますので、かかった場合には速やかに学校、職場に連絡し、周囲に感染を広げないためにも感染させる期間はきちんと休むことが重要です。
- Q6
- 麻しんで学校等が臨時休業(学校閉鎖等)になるのはどのようなときですか?
- A
-
同一施設内で複数の発生が確認されている場合、あるいは発症した生徒(職員)が感染力のある時期に登校(出勤)していた場合等、施設の中でさらに感染が広がる恐れがあるときには、臨時休業が検討される場合があります。休業日数は、麻しんの潜伏期間を考慮し、14日程度を目安にすることが多いようです。
- Q7
- 麻しんによる臨時休業中(学校閉鎖等の間)に注意することは何ですか?
- A
-
休業中は、人の多く集まるところへ行かないこと、ワクチン接種が必要な人は速やかに受けること、そして体調管理に努めることです。
施設内で感染力の非常に強い麻しんの患者が発生していたわけですから、休業中の行動については、施設関係者のほぼ全員が麻しんウイルスに曝露されているという前提で考える必要があります。
麻しんの免疫が確実にある人(麻しんのワクチン接種を確実に2回している、過去に確実に麻しんにかかっている、または抗体検査で十分な抗体価が確認されている人)には行動面の制限は特にありません。
それ以外の人には、休業期間中つねに、自分が発症する可能性と自分に感染力がある可能性を踏まえて行動することが求められます。
- Q8
- 学校等で行事の前に麻しん患者が発生していたら?
- A
-
麻しんは空気感染しますので、多数の人が同じ空間を共有するような行事に感染力のある人が参加していれば、それを契機に一挙に感染が拡大する可能性があります。また、施設外からの来場者もある行事の場合、不特定多数の人に感染を拡大させてしまう恐れもあります。
施設内の麻しん患者から感染した人が、潜伏期間を経て行事開催日頃に発症して、感染を広げることのないよう対策をとる必要があります。
行事開催前3週間以内に施設内で麻しん患者が発生している場合、行事の中止又は延期し、麻しん患者が3週間以上発生していないことを確認した上で実施することが、感染拡大を防止する確実な対策です。
日程変更できない場合は、麻しんの免疫が確実にある人(ワクチン接種を1歳以上で2回実施:接種を受けた記録で確認、麻しんに罹患、抗体検査で十分な抗体価が確認されている)だけを行事に参加させること、かつ毎日の検温等の健康管理を参加者に義務づけることが挙げられます。
- Q9
- 学校等で麻しん患者が発生しているときの学外活動はどのようにしたらよいですか?
- A
-
校内の麻しん患者から感染した人が、潜伏期間を経て学外での活動前後に発症し、麻しんを拡大させることのないよう注意が必要です。そのためには、麻しんの免疫が確実にある人だけを活動に参加させること、かつ検温等、毎日の健康管理をすることが望まれます。また、学外活動の主催者への状況を説明する必要もあると思われます。