流行性耳下腺炎 Mumps
更新日:2015年9月11日
1 流行性耳下腺炎とは
流行性耳下腺炎とは、ムンプスウイルスによる感染症で、一般には「おたふく風邪」として知られています。3~6歳の小児に多い感染症ですが、他の年齢でも感染することがあります。
2 原因と感染経路
病原体はムンプスウイルス(mumps virus)です。
感染経路は、患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる感染(飛まつ感染)、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる感染(接触感染)があります。
3 症状
潜伏期間は2~3週間程度で、突然の発熱、両側、あるいは片側の耳の下のはれと痛みが起こります。2~3日以内に両側ともはれがみられ、顎の下にも広がることがあります。通常1 ~2週間で軽快します。まれに無菌性髄膜炎、 難聴、 精巣炎などの合併症を起こすことがあります。
また、感染しても症状が現れない不顕性感染が30%程度あるとされています。
成人が感染すると症状が重くなる傾向があります。
4 治療
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
5 予防のポイント
有効な予防方法は予防接種で、現在、任意予防接種として1歳以上で接種することができます。
6 診断・感染症法との関連
通常は臨床的に診断されますが、確定診断にはウイルスやウイルス遺伝子の検出、抗体検査が行われます。
感染症法では五類感染症(定点把握対象)に定められ、定点医療機関から毎週患者数が報告されています。
7 さらに詳しい情報が必要な方は
- 流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ) (国立感染症研究所)
- Mumps(CDC)