東京都健康安全研究センター
百日咳 pertussis(whooping cough)

更新日:2018年11月27日

 

1 百日咳とは

 百日咳は、百日咳菌による感染症です。一年を通じて発生がみられますが、近年、乳幼児期の予防接種の効果が減弱した成人の発病が問題になっています。

 

2 原因と感染経路

 病原体は百日咳菌(Bordetella pertussis)です。

 患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌によって感染します(飛まつ感染)。

 

3 症状

 7~10日程度の潜伏期間を経て、風邪症状がみられ、徐々に咳が強くなっていきます(カタル期:約2週間)。その後、短い咳が連続的に起こり、咳の最後に大きく息を吸い込み、痰を出しておさまるという症状を繰り返します(痙咳期:約2~3週間)。激しい咳は徐々におさまりますが、時折、発作性の咳がみられます(回復期:2~3週間)。乳児の場合、無呼吸発作など重篤になることがあり、生後6か月未満では死に至る危険の高い疾患です。成人では、咳は長期間続きますが、比較的軽い症状で経過することが多く、受診・診断が遅れることがあります。

 

4 治療

 治療には、マクロライド系抗菌薬を使用します。

 

5 予防のポイント

 有効な予防法は予防接種です。予防接種法に基づく定期予防接種が行われています。予防接種による免疫効果の持続は5~10年程度です。

 軽症でも菌の排出はあるため、予防接種をしていない新生児・乳児がいる場合は、感染に対する注意が必要です。

 

6 診断・感染症法との関係

 百日咳は、咽頭ぬぐい液を採取して、病原体分離・同定して診断します。

 感染症法では、五類感染症(全数把握対象)に定められており、診断した医師は7日以内に最寄の保健所に届け出ることが義務づけられています。

7 関連情報

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