東京都健康安全研究センター
急性灰白髄炎 ポリオ poliomyelitis

更新日:2015年7月8日

1 ポリオ(poliomyelitis)とは

 ポリオとは、ポリオウイルスによる感染症です。1988年WHOのポリオ根絶計画が推進されて減少しましたが、パキスタンやアフガニスタンなどの南西アジアやナイジェリアなどのアフリカ諸国では流行が続いています。

 

2 原因と感染経路

 病原体はポリオウイルス(poliovirus)です。主な感染経路は、糞便中のウイルスが口の中に入ることによる感染(経口感染・接触感染)ですが、患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスによる感染(飛まつ感染)もあります。

 

3 症状

 潜伏期間は3~35日です。感染者の大部分(90~95%程度)は、感染しても症状が現れない不顕性感染であるとされています。発症すると、発熱、頭痛、のどの痛み、吐き気、嘔吐などのかぜに似た症状が現れます。さらに、腸の中で増えたウイルスが脊髄の一部に入り込んだ場合、主に手や足に弛緩性麻痺(だらんとした麻痺)が現れ、その麻痺が後遺症として残ってしまうことや、呼吸困難で死亡することもあります。

 

4 治療

 特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。

 

5 予防のポイント

 有効な予防法は、予防接種です。

 予防接種法に基づく定期予防接種が行われています。

 日本における予防接種スケジュール(国立感染症研究所)

 詳しくは、お住まいの市区町村の保健センター等(予防接種を担当する窓口)にお問い合わせください。

 

6 診断と感染症法との関連

 ポリオは、便を採取してウイルスの分離・同定を行い、診断します。

 感染症法では、二類感染症(全数把握対象)に定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることが義務付けられています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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