東京都健康安全研究センター
重症熱性血小板減少症候群(SFTS) Severe fever with thrombocytopenia syndrome

更新日:2022年10月11日

 

1 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは、2011年に中国で命名された新規感染性疾患で、中国では2009年頃から発生が報告されており、2012年には韓国においても発生が確認されました。 日本では2012年に発症した海外渡航歴のない症例が初めての報告となります。SFTSの症例は西日本を中心に報告されていますが、近年では、推定される感染地は静岡県などを含む25府県に広がっています(2021年7月現在)。

 

2 原因と感染経路

 病原体はSFTSウイルス(SFTSV)です。

 ウイルスを保有しているフタトゲチマダニ等のマダニに直接咬まれること、もしくは、マダニに咬まれて感染した動物(野生、屋外で飼育されている動物)の体液などにより感染します。感染患者の血液、体液との接触感染も報告されています。

 マダニは野外に生息する大型のダニで、屋内に生息するダニ(コナダニ類・チリダニ類など)はこの疾患とは関係ありません。

 

3 症状

 潜伏期間は6日~2週間程度です。主な症状は発熱と消化器症状(おう吐、下痢など)が中心で、倦怠感、リンパ節のはれ、出血症状なども見られます。致命率は27%とする報告があります。

 

4 治療

 臨床的に有効性が確立された抗ウイルス薬はまだなく、症状に応じた対症療法が行われます。

 

5 予防のポイント

 野外でマダニ等に咬まれないようにすることが大切です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意が必要です。草むらや、やぶなど、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくすることが大切です。感染者の血液、体液、排泄物との直接的な接触も避けるようにして下さい。

 動物もSFTSVに感染し、人と同じような症状を呈することがあります。SFTSVに感染した犬や猫から人が感染した例も報告されています。野生動物や衰弱している動物には触らないようにしましょう。動物に口移しで餌を与えるなどの過剰な接触は避け、動物を触った後は必ず手洗い等をしましょう。飼育している動物にマダニがついていないかなど、日頃より動物の健康管理に努め、健康状態不良時は動物病院に相談してください。

 現在、予防接種はありません。

 

6 診断・感染症法との関係

 血液等からのウイルスの分離・同定あるいはRT-PCR法によるウイルス遺伝子の検出のほか、急性期および回復期におけるウイルスに対する血清中IgG 抗体価、中和抗体価の有意な上昇の確認、または、IgM 抗体の検出により診断します。

 感染症法では四類感染症(全数把握対象)に定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることが義務づけられています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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