東京都健康安全研究センター
黄熱 Yellow fever

更新日:2016年6月1日

  

1 黄熱とは

 黄熱は、ウイルスを持った蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることによって生じる感染症です。

 黄熱 “Yellow fever” の名称は患者の一部で黄疸の症状がでることに由来しています。

 

2 原因と感染経路

 病原体は日本脳炎と同じフラビウイルス属の黄熱ウイルスです。

 黄熱ウイルスを持つ蚊がヒトを刺すことによって感染します。ヒトからヒトへの感染はありません。

 

3 症状

 3〜6日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、悪寒などの症状を呈します。感染しても、症状がないか軽い症状のみで軽快することが大半ですが、発症者のうち15%が重症化すると言われており、重症例では一旦症状が治まってから24時間以内に再びの高熱、黄疸、出血傾向、意識障害が出現し、適切な治療が行われないと死亡する場合もあります。

 

4   治療

 治療は症状に応じた対症療法が行われます。治療薬はありません。

 

5 予防のポイント

 有効な予防法は、ワクチン接種です。黄熱流行地へ渡航する際は渡航の10日前までに、予防接種を受けることが推奨されています。黄熱ワクチンは指定された医療機関でしか接種できませんのでご注意ください。

黄熱の感染リスクのある地域

 アフリカおよび南米の熱帯・亜熱帯地域で流行しています。2015年12月以降、アフリカ中部のアンゴラでアウトブレイクが発生しています。入国の際に黄熱予防接種の国際証明書の提示を求められることがあり、最新の情報を下記のウェブサイトで確認して下さい。

 黄熱について(厚生労働省検疫所 FORTH)

 

6 診断・感染症法との関連

 診断は、病源体の検出あるいは抗原検査などによります。

 感染症法では、四類感染症として定められており、診断した医師は直ちに最寄の保健所に届け出ることが義務付けられています。

  

7 さらに詳しい情報が必要な方は

本ホームページに関わる著作権は東京都健康安全研究センターに帰属します ご利用にあたって
© 2023 Tokyo Metropolitan Institute of Public Health. All rights reserved.