インフルエンザニュース |
平成11年2月12日 |
この情報は医療機関等向けに提供しています。
1 インフルエンザの流行状況について
都の感染症発生動向調査によると、インフルエンザ様疾患の患者数は、平成11年1週(平成11年1月3日〜1月9日)が2301件、2週(平成11年1月10日〜平成11年1月16日)が3417件、3週(平成11年1月17日〜1月23日)が3639件、4週(平成11年1月24日〜1月30日)が3445件、5週(平成11年1月31日〜2月6日)が3298件となっています。
また、インフルエンザ様疾患により、11月からの累計で、2月9日現在、 981の学校で4343学級が学級閉鎖になりました。なお、昨年同期は
1210の学校で6707学級が学級閉鎖しました。
なお、都の高齢者施策推進室の調べによると都内の老人福祉施設(施設数: 353カ所、定員:33776 人)のうち、インフルエンザ様疾患の発生状況は、1月末現在で患者数が114
施設で、計 843人、死亡者数は9 施設で計11名とのことです。
また、厚生省の通知に基づく調査で、1月上旬に発症した3歳の女児が1月中旬に死亡していたことが報告されました(臨床診断に加えて、遺伝子検査法により、A/香港型のインフルエンザウイルスを検出)。
2 成人、特に高齢者は注意を
現在の流行の特徴として、30歳以上の患者が多数報告されています(別紙参照)。成人、特に高齢者は注意が必要です。
3 予防方法について
1) 手洗いとうがいの励行
2) 室内の適度な加湿と換気
3) 規則正しい生活と休養
4) バランスのとれた食事と適切な水分の補給
5) 必要な時以外は人混みへの外出を控える
6) ワクチン接種についてはかかりつけ医と相談して下さい
4 早期の受診を
インフルエンザは、乳幼児や高齢者、基礎疾患のある方に感染すると重症化しやすいので、症状がでれば早めに診察を受ける等の注意が必要です。
5 厚生省、A型インフルエンザの簡易検査キットを承認
厚生省は昨年、A型インフルエンザウイルス感染症の治療薬として「塩酸アマンタジン」(商品名:シンメトレル、日本チバガイギー)を承認しました。また、鼻腔洗浄液、鼻腔吸引液、鼻腔ぬぐい液及び咽頭ぬぐい液から10分ほどでインフルエンザA型ウイルスを検出する検査キット(商品名:
ディレクティジェンFluA、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)も承認されています。
6 インフルエンザウイルスの分離について
インフルエンザに罹患したと思われる生徒に対して行った疾患調査では、昨年、府中市の小学校の生徒3名からインフルエンザウイルス「B型」が検出されたのに続き、中野区の小学生及び町田市の中学生からは「B型」、板橋区及び葛飾区の小学生からは「A/香港型」、墨田区の小学生からは、「A/香港型」と「B型」が検出されました。
なお、都立衛生研究所の感染症発生動向調査(病原体検査)によると、調査した140 検体のうち、PCR法(遺伝子検査)では、「A/香港型」が65件、「A/ソ連型」が
5件、「B型」が 2件確認されました。また、同研究所多摩支所の行った多摩地区における感染症発生動向調査(病原体検査)では、調査した
695検体のうち、PCR法(遺伝子検査)では、「A/香港型」が 234件、「B型」が53件確認されています。
衛生局医療福祉部結核感染症課
TEL 03-5320-4482