東京都健康安全研究センター
2011年の流行予測調査におけるインフルエンザ抗体保有状況(東京都)

更新日:2012年1月18日

1 調査の概要

 感染症流行予測調査の概要については こちら をご覧ください。

 【調査対象】:374名
(年齢階級別調査数の内訳は、0〜4歳91人、5〜9歳60人、10〜14歳40人、15〜19歳40人、20〜24歳20人、25〜29歳28人、30〜39歳26人、40〜49歳23人、50〜59歳29人、60歳以上17人)

 【調査時期】:2011年7月〜10月
&nbsp【内容】 都内で協力が得られた方の血液からインフルエンザに対する抗体を測定しました。また、その他にワクチン接種状況などについて聞き取り調査を行っています。

 

2 抗体保有状況

 今回調査したインフルエンザ抗体は、2010/2011年シーズンワクチン株であるA/H1N1 2009型(A/California/07/2009)、A/香港型(A/Victoria/210/2009)、B型ビクトリア系統(B/Brisbane/60/2008)と、参照株であるB型山形系統(B/wisconsin/01/2010)の4種類の抗原に対するHI抗体です。HI抗体価が10倍以上ある場合に抗体を保有しているとされ、40倍以上ある場合には、重症化が予防できるとされており、感染防御抗体を保有していると考えられます。
 A型(A/H1N1 2009型、A/香港型)に対する40倍以上のHI抗体保有率は、41.1〜44.1%と中等度の保有状況でした。それに比較して、B型(ビクトリア系統・山形系統)に対する40倍以上のHI抗体保有率は、35.6〜40.9%とA型より低くなっています。年齢階級別の40倍以上のHI抗体価保有状況は、A/H1N1 2009型、A/香港型は若年層において保有率が高いのに対し、B型はビクトリア系統、山形系統ともに成人層の保有率が高い傾向が見られました
【図1】【表1】。

 また、A/H1N1 2009型(A/California/07/2009)に対する過去3年分の40倍以上のHI抗体保有率の推移をみると、2009年と比べて、2010年では、概ね全ての年齢層において保有率が上昇し、今回調査の2011年では、0〜29歳で2010年とほぼ同じ傾向、30歳以上で40代を除き2010年を下回っている状況でした【図2】。

 

【図1】HI抗体価40倍以上の保有率(%)  東京都 2011年 n=374

 

【表1】年齢階級別HI抗体価40倍以上の保有率(%) 東京都 2011年 n=374

 

【図2】A/California/07/2009に対する年齢階級別HI抗体価40倍以上の保有率(%) 東京都  2009〜2011年

 

3 ワクチン接種状況

 調査対象者(374名)のうち接種歴不明の者(32名)を除いたワクチン接種率は、66.1%でした。年齢階級別のワクチン接種率をみると、全ての年齢において40%以上の接種率でした。5〜9歳の接種率が81.1%と最も高く、60歳以上が75.0%、15〜19歳が74.3%の接種率で、他の年齢では概ね60%前後の接種率でした【図3】【表2】。

 

【図3】年齢階級別ワクチン接種率(%) 東京都 2010/2011年シーズン n=342

 

【表2】年齢階級別ワクチン接種歴 東京都 2010/2011年シーズン n=374

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