ヘルパンギーナ Herpangina
更新日:2023年6月22日
1 ヘルパンギーナとは
ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発しんを主症状とした感染症です。主に夏季に流行するいわゆる「夏かぜ」の代表的疾患です。
2 原因と感染経路
主にコクサッキーA群ウイルス(Coxsackie virus GroupA)を原因とします。
ヘルパンギーナにかかった人の咳やくしゃみ、つばなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染します(飛まつ感染)。また、水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染します(経口・接触感染)。
3 症状
2~4日の潜伏期の後、突然の高熱、咽頭痛や咽頭発赤を呈し、口腔内に水疱や発赤が現れます。水疱は破れて痛みも伴います。2〜4日で解熱し、7日程度で治癒します。高熱による倦怠感や口腔内の痛みなどから、食事や水分を十分にとれず、脱水になることもあります。
合併症としては、熱に伴う熱性けいれんと、まれに髄膜炎や心筋炎が生じることがあります。
4 治療
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。
口の中に水疱ができ食事がとり難いため、柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。
頭痛やおう吐、発熱が続く場合は主治医に相談しましょう。
5 予防のポイント
予防接種はありません。
予防には、手洗い、咳エチケットが有効です。
6 診断・感染症法との関係
通常は、症状による診断がなされますが、検査診断は、病源体の検出によります。
感染症法では、五類感染症(定点把握対象)として定められ、定点医療機関から毎週患者数が報告されています。
7 さらに詳しい情報が知りたい方は
- ヘルパンギーナとは(国立感染症研究所)