風しんワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合(MR)ワクチン)を接種することによって、95%以上の人が風しんウイルスに対する免疫を獲得することができるといわれています。
- Q2 ワクチンの副反応はありますか?
- A
1回目のワクチン接種後の副反応として最も多くみられるのは発熱です。発生頻度は接種後1週間前後が最も高く、接種して2週間以内に約13%でみられます。発疹は接種後1週間前後に数%程度、アレルギー反応としてのじんま疹が約3%、また発熱に伴うけいれんが約0.3%にみられます。2回目の接種では接種局所の反応が見られる場合がありますが、発熱、発疹の頻度は極めて低くなります。稀な副反応として、脳炎・脳症が100万~150万人に1人以下の頻度で報告されていますが、ワクチンとの因果関係が明らかでない場合も含まれています。
- Q3 風しんの予防接種はどうして2回必要なのですか?
- A
2回の接種を受けることで1回の接種では抗体が付かなかった方の多くに抗体をつけることができます。さらに、接種後年数の経過と共に、抗体が低下してきた人に対しては、追加のワクチンを受けることで免疫機能を増強させる効果があります。
- Q4 小児の場合、予防接種はいつ受けることができますか?
- A
2006年度から定期予防接種とて、1歳児(第1期)と小学校入学前の幼児(第2期)に原則としてワクチンが接種されるようになっています。この間に接種を受けると、公費負担となります。
- Q5 卵アレルギーの子供でもワクチンを受けることはできますか?
- A
麻しん風しん混合(MR)ワクチンのような麻しん含有ワクチンは、ニワトリの胚細胞を用いて製造されており、卵そのものを使っていないため卵アレルギーによるアレルギー反応の心配はほとんどないとされています。しかし、重度のアレルギー(アナフィラキシー反応の既往のある人など)のある方は、ワクチンに含まれるその他の成分によるアレルギー反応が生ずる可能性もあるので、接種時にかかりつけの医師に相談してください。
- Q6 成人女性が風しんワクチンを受ける場合の注意事項はありますか?
- A
成人女性が風しんワクチンを接種する場合は、妊娠していない時期にワクチン接種を行い、その後2か月間の避妊が必要です。風しんワクチンは大変安全なワクチンで、妊娠中に風しんワクチンを接種したことにより胎児に障害が出たという報告はこれまで世界的にもありませんが、その可能性は理論的に全く否定されているというわけではありませんので、上記の注意が必要です。
- Q7 過去に麻しんまたは風しんにかかったことがあっても麻しん風しん混合(MR)ワクチンを接種しても大丈夫ですか?
- A
過去に麻しんまたは風しんにかかったことに間違いがなければ、成人になってもかかった疾患に対しての十分な免疫を保持していることが多いので、当該疾患の予防接種の必要はありません。ただし、他の疾患と思い違いしている場合もあります。特に風しんは思い違いの頻度が高いと言われています。過去に麻しんまたは風しんのいずれか一方に罹ったことのある人でも、再度麻しん風しん混合(MR)ワクチンを接種することは差し支えありません。また、麻しんまたは風しんの単独ワクチンを受けることもできます。
- Q8 風しんにかかって免役をつけた方がワクチンを接種するよりもよいということはないのですか?
- A
風しんは小児の場合、通常あまり重くない病気ですが、まれに脳炎、血小板減少紫斑病等の合併症が2,000人から5,000人に1人くらいの割合で発生することがあり、その点では軽視できない病気のため、ワクチンで予防することが重要です。また、ワクチンで免疫をつけることによって、免疫が低い妊婦への感染を防止することができます。
- Q9 風しんに対する免疫がなく、風しん患者と接触した場合に、麻しん風しん混合(MR)ワクチンを接種すべきですか?
- A
風しん患者と接触した後に風しんワクチンを予防的に接種した場合に発病を予防できるかどうかははっきりしていません。しかし、感染していなくともワクチン接種により免疫を付けることができるので、患者との接触後にワクチン接種をすることに問題はありません。