東京都健康安全研究センター
インフルエンザニュース1999年5号
第5号(平成11年12月発行)

1. インフルエンザウィルスの分離状況について

 各都道府県市の衛生研究所から分離されたインフルエンザウィルスが、国立感染症研究所のホームページに掲載されています。下の表はそのホームページから取り出したものですが、これによると11月の上旬から12月の初旬にかけて(45週から48週に該当する)、A香港型(H3N2)とAソ連型(H1N1)がそれぞれ十数例程報告されてます。

 Aソ連型についてはここ3年流行の主流となっていないため、年々抗体保有率が低下しています。12月9日時点において、このAソ連型が分離された地域は宮城県・愛知県・大阪府ですが、今後Aソ連型が多く分離されると、さらに注意が必要になります。

2. インフルエンザが冬に流行するわけは?

 インフルエンザは気温が低下してくる冬に流行してきます。下のグラフに、インフルエンザウィルスの生存率と気温・湿度との関係を調べたグラフを示します。ウィルスは、気温22℃、湿度50%以上において生存が悪く、逆に気温10℃、湿度20%では、長期に生存します。 (出典:インフルエンザとかぜ症候群 加地正郎著)

(Harper,G,J.:Airborne micro-organisms: survival tests with  four  viruses. J.Hyg.Camb.,59;479?486,1961)

3. インフルエンザ患者の発生動向について

 12月第1週現在におけるインフルエンザの患者発生状況を前年と比較すると、以下のようなグラフになります。

 このグラフによりますと、今年の患者報告数は前年よりも低い数値にとどまっております。しかし報告数そのものは前年と同様に微増しておりますので、今後も引き続きインフルエンザの報告数に注意する必要があります。

 


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