更新日:2019年12月5日
1 水痘とは
水痘とは、水痘‐帯状疱疹ウイルスによる感染症で、一般には「みずぼうそう」として知られています。小児によく見られる疾患で、特に2~8歳で多いです。
2 原因と感染経路
病原体は、水痘‐帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:VZV)です。
感染経路は、患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる感染(飛沫感染・空気感染)、あるいは、水疱や粘膜の排出物に接触することによる感染(接触感染)があります。発しん出現の1日から2日前からすべての水疱が痂皮化するまで感染性があります。
3 症状
潜伏期間は10日から21日間です。特徴的な症状は水疱(水ぶくれ)と38℃前後の発熱で、全身に直径3~5mm程度の丘疹(盛り上がった赤い発しん)が出現します。
数日にわたり新しい発しんが次々と出現しますので、 急性期には紅斑、丘疹、水疱、痂皮(かさぶた)のそれぞれの段階の発しんが混在するのが特徴です。すべての発しんが痂皮になるまで6日程度かかります。
通常、軽症で終生免疫(一度の感染で生涯、その感染症にはかからない)を得ることが多いですが、成人では重症になることがあり、髄膜炎や脳炎などの合併症の頻度も高くなります。またウイルスは治癒後も体の中に潜伏していて、何年も経過してから「帯状疱疹」として再発することがあります。
4 治療
治療には抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなど)を使用します。
5 予防のポイント
有効な予防法は予防接種です。2014年10月1日から、水痘ワクチンが定期接種となりました。
水痘患者に接触した場合でも、3日以内にワクチンを接種すれば80%から90%発病を予防でき、家族内感染の予防や施設内感染の防止に有効とされています。また、発症した場合でも症状の軽減化が期待できます。
6 診断・感染症法との関連
通常は臨床的に診断されますが、確定診断には、血液を採取して抗体検査が行われます。
感染症では、五類感染症(定点把握対象)に定められ、定点医療機関から毎週患者数が報告されています。 また、入院例については五類感染症(全数把握対象)に定められており、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所へ届け出ることが義務付けられています。
7 さらに詳しい情報が必要な方は
- 帯状疱疹 Shingles(Herpes Zoster)
- 水痘とは(国立感染症研究所)
- 水痘(厚生労働省)
- Chickenpox (Varicella) (CDC)